2025年4月19日(土)20日(日)に、横浜にあるお茶室SHUHALLYにて教室展を開催しました。茶道教室SHUHALLYの季節の茶会とのコラボレーションも3年ぶりとなりましたが、茶道を通じて、多くの方に私たちの活けた花をご覧いただける機会に、毎回本当に感謝しております。
【百花為誰開】
(百花春至って誰が為にか開く)
春になると生命の赴くままに見事に咲く花々に、人間は魅了され続けてきました。その功を少しも誇ることなく、ただただ咲くその生き様に、尊さを感じます。
生け花は、この何事にもとらわれることなく、真っ直ぐに生きる花の姿に、心が洗われる時間でもあります。
今回の教室展では、花を活ける暮らしを始めて十年程の四季を繰り返して来た生徒の皆さんが、尊き花の生き様に寄り添い、今この瞬間を生きる私たちと花との関係性を改めて考え直しながら活けさせていただきました。
玄関 「紡」 井田亮子
待合 「芽」 原麻子
庭 「生」 鈴木章子
広間床 「涼」 横山智子
風炉先 「吹」 池田あさみ
小間床 「心林」 松永有加
無心に芽吹き、枝葉を伸ばし、花を咲かせる…そんな植物たちの森の循環に触れると、自分が地に足をつけ、見上げれば空が広がり、陽の光を浴びながら今を生きる地球人であることを実感します。
画面越しの世界にとらわれがちな現代人にとって、本物の、偽りない真っ新な自分に帰る時間を、植物との対話がもたらせてくれます。
いかがでしたでしょうか?
今回、この会に臨むにあたって、改めて自分にとって花を活ける時間とは?と問い直した際に、ある生徒さんから出たお言葉が
「自分に戻る時間」。
とても印象的で腑に落ちる言葉でした。相対的な評価、効率化、合理的思考…そんな社会に求められる自分を生きる時間が長い現代人にとって、生け花は‟あるがままの自分”で居られる貴重な時間です。潔く咲く花をあるがままに観て、今この空間に居て自然と調和している自分に気づく時間でもあります。その純粋で美しい時間が、活けた花にその方の人柄を表すのだとも感じています。
忙しい中、こうして教室へ通い続けてくださる方、また新しくお仲間になってくださる方、皆さんが安心して自分に戻れる場所にできるよう、これからも精進して行きたいと思います。
ご参会いただいた皆様、ご一緒させていただきましたSHUHALLYの皆様、
そして出展者の皆様、素晴らしい時間をありがとうございました。
Botanicalism花教室 代表
松永 有加
0コメント