2024年12月2日(日)に、ボタニカリズムとしては初めての試みであるアート思考ワークショップ「手のひらリトリート vol.1」を開催しました。
松永が2023年に取得した臨床美術士資格の実践として温めてきた企画で、左脳偏重で多忙な方々のために、マインドフルな体験により、思考の変化を自覚し、自分の感性に気づくきっかけになるような時間を提供したいという思いから開催しました。
「アート」と言ってもその範囲はあまりに広く、今回はその中から「絵を描く」ことの解釈からスタート。臨床美術が重きを置く、表現するために“感じる”ことと、そこから自分の表現をするプロセスを大切に会を進めました。
同じ言葉を通しても、表現の解釈が違う楽しさが、皆でアートする面白味です。
導入のワークの後は今回のモチーフ『玉ねぎ』の実食。イサベラの西村シェフの魂がこもった玉ねぎ料理2品に、みんな興味津々!口の中で次々と押し寄せてくる玉ねぎの魅力に、圧倒される時間でした。
1品めは「ローストした玉葱のタルト」。丸ごと低温で3時間ローストした玉ねぎを、皮、外側、内側に分解。それぞれを乾燥してパウダーにしたり、焼いてタルト型にしたり、ピューレにした後、再構築された一品です。
続いては「玉ねぎのマンハールブラン(玉ねぎのブラマンジェ)」。西村シェフから届いた工程が長すぎたので紹介は諦め(笑)…玉葱のブラマンジェにローストした玉葱とスープを流し、飴色玉ねぎのコンソメジュレをのせ、塩漬け玉葱チップス、玉葱パウダーで仕上げられた一品です。
そして、玉ねぎを描く時間へ。冷蔵庫にあって当たり前、改めて眺めることなどない程に身近な野菜の玉ねぎ。じっくりと向き合ってみると、複雑な色味や個の命を感じます。
大人も子どもも、没頭時間。
鑑賞会では、作品のイメージから「この玉ねぎは北海道産!」「これはアメリカ産!」と、素敵な解釈を見つけてくれました!
体験を同じくしたメンバーで、その感覚をシェアする時間もまた、豊かな学びを与えてくれました。
アンケート回答の一部をご紹介させていただきます。
「いかに自分が思考で生きているか、右脳で表現する難しさ、苦しさをすごい感じました!でもそのモヤモヤにとどまるのも有意義だよな、と思えるようになったという意味での発見も。」
「自分を俯瞰で見ることで自分の気持ちを整理できた。そのことを周りの人達と、普段は中々することのない感じたことを共有することで、とても気持ちが豊かになれた。」
「目や手触りから得られる情報をインプットするだけでなく、それを絵に描き表現するアウトプットまでの一連の流れで得られるものが非常に大きいと実感しました。」
「自分の持っている固定概念を外して新しい物事の見方を受け入れていく大切さ。」
アートによるコミュニケーションには、年齢や性別の壁がないことも、今回改めて価値を感じる点でした。日頃の生活では、どうしても上下の関係が発生してしまう親子関係も、絵を描く過程や作品を前にすると、とてもフラットにそれぞれの感情や感性に向き合うことができます。
上手い下手、出来る出来ないなどの評価ではなく、「あなたの作品のここが素敵だね!」という純粋で具体的でポジティブなメッセージが、回数を重ねるごとに日常にも応用されて、「あなたのその考え方が素晴らしいと思う!」と自然に認められる、そんなマインドを育てる機会でもあるように思います。
まだまだ実験的とも言える段階で、当日ご参加いただいた方々には心から御礼申し上げます。こちらが貴重な気づきを沢山いただく機会となりました。
初回の反省点を踏まえ、よりブラッシュアップした形で次回をお届けできるよう計画中です。
第二回のモチーフは「林檎」。日程は2月9日(日)を予定しております。
詳細は近日中に告知させていただく予定ですが、興味があるよ!という方は是非、下記のフォームから詳細希望とお知らせください。
追ってメールにてご案内をお送りさせていただきます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております!
Botanicalism
松永有加
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